HashHubレンディング運営事務局です。
いつも弊社サービスをご利用いただきありがとうございます。
「The Merge」および「EthereumPoW」に関する対応方針についてお知らせします。
前提
The MergeはEthereumで予定されている次期大型アップデートです。The MergeによりEthereumはProof of Work(PoW)によるマイニングを停止し、Proof of Stake(PoS)へと移行します。当該アップデートは9月15日頃に予定されていると発表がありましたが、日程については8月16日時点ではまだ仮の決定となっています。
本投稿で後述するEthereumPoWとは、一部のマイニング事業者が中心となり、The Mergeのアップデートが適用されていないEthereumのブロックチェーンを新しくハードフォークして誕生させようとしている試みを指します。
また、本投稿は当社が6月に発表した内容の続報です。
当社がサポートするEthereumネットワークについて
The Mergeが実施された後、弊社はThe Mergeアップデートが適用されたPoSのネットワークを正のEthereumネットワークとして扱います。
お客様が貸出中のETH・DAI・USDCにつきましては、The Mergeアップデートが適用されたPoSのネットワークにおけるETH・DAI・USDCを返還および貸借料の支払い通貨とします。
当社としては速やかに、かつ、安全性を重視したうえで、本アップデートに対応して引き続きお客様の暗号資産での資産形成をサポートしていきます。ユーザーの方につきましては、新たな作業などを必要とせずに自動的にThe MergeのネットワークのETH・DAI・USDCでレンディングが継続します。
EthereumPoWに関する当社の対応について
2022年8月現在、The Mergeのアップデートが適用されていないチェーンが分岐する可能性が前述のEthereumPoWというプロジェクトによって示唆されています。当社レンディングサービスにおいては、様々な検討を重ねた結果、前述の通り、The MergeのアップデートがなされたPoSのEthereumネットワークのみを採用し、EtheremPoWをサポートしません。利用規約の第12条(ハードフォーク等)に基づき、もし新たに付与された暗号資産等が発生した場合においてもユーザの皆さまから当社への当該通貨の請求権は発生しないものとします。
本決定は以下を背景にしております。
EthereumPoW自体に関連する理由
・Ethereum財団とコミュニティによって計画・サポートされていない
EthereumPoWは本来のEthereumの開発ロードマップに紐づくものではなく、対してEthereumのPoS移行はプロジェクト初期からロードマップに含まれていたもので、PoSのEtheruemネットワークを取り扱うことに正当性があると判断しました。
・主要アプリケーションの動向
現在のEthereumの主要サービス(例:USDT、USDC、ChainLinkなど)はThe merge 実行後の PoS チェーンのみをサポートすると公表しています。結果として、それ以外のハードフォークのブロックチェーンが生まれたとしてもエコシステムの持続は極めて困難であると推測しており、私たちも同様の判断をしています。
当社サービスの性質による理由
・レンディングサービスの性質上の問題
暗号資産を保管する取引所とは異なる点として、当社に限らずレンディングサービスはお客様から借り入れた暗号資産を活用して収益を生み出しているという点が挙げられます。第三者への貸し出しやDeFiアプリケーション、アービトラージを使用するなどの運用を行っていることから、お客様に新暗号資産を付与するための準備には通常時とは異なる体制を取る必要があり、これらを原因として新しく発生するリスクやコストについて検討する必要があります。また、当然のこととして、発生した新暗号資産の時価総額や十分な流動性が存在するかという点も新暗号資産がもたらす可能性がある収益を評価するために考慮が必要です。これらのことを総合的に勘案した結果、現時点での当社の考えとしては、少なくとも今回のEthereumPoWについて対応を行うことは困難であると判断しました。
・当社サービスを構成するウォレットプロバイダ
当社は顧客入出金のシステムをBitGoによって構築していますが、当該サービスがPoWネットワークに対応する方針をアナウンスしておらず、取り扱いが困難であることも理由の1つとしております。
BitGoの公表するハードフォークについてのポリシーからも今回のフォークに対応する可能性は現時点で高いものではないと考えられます。
最後に
当社は、お客様が貸し出している暗号資産から生じる新暗号資産を当社がお客様に代わって自らが所有するものとして取得又は処分を行いません。
私たちとしては、お客様の安全性を第一にしながら持続可能な貸借料率の提供を目指して参ります。引き続きHashHubレンディングをよろしくお願い致します。